
ペアローン
夫婦共同で借りる住宅ローンをペアローンといい、どちらか一方が支払えなくなった場合にはもう片方が責任を負う。不動産価格が高騰している現在、このローンが主流となりつつあるがデメリットも多い。、ネットで叩けばいくらでも出てくるのだから、契約前に下調べしておくのがマストである。
二人でローンを組むので高額の物件でも購入対象となる。共働きの夫婦であればローンも通りやすく、5,000万円の借入れを夫3,000万円と妻2,000万円と分けることができる。各々の年収から借入金額を決められるので、控除枠を最大限に利用すれば節税にも繋がる。住宅ローン控除は残高の最大1%が10年間受けられるが、一人で5,000万円のローンを組むと上限は4,000万円×1%×10=400万円となる。ペアローンだと半分に割って組めば、合わせて500万円の控除を受けられる計算となる。
デメリットは夫婦それぞれとの契約になるため、2重ローン扱いとなり、融資の際の諸費用が膨らむ。団体信用生命保険の保証は別々で受けられるが、当たり前だが、亡くなった方の保証しか受けることは出来ない。残った方が持っている借入額は完済するまで無くならない。それよりもペアローンが残った状態で離婚になるとかなり厄介だ。売却する際は双方の同意が必要となり、互いに連帯保証となっているから、どちらかが返済を怠るとその分の返済も強いられる。
どちらか一方が住み続ける選択をした場合はどうだろうか。ペアローンの一本化、残高を完済できない売却を銀行はなかなか認めない。結局は親族に頭を下げてお金を搔き集め、片方のローンを完済して持ち分を買い取る以外、打開策は見当たらない。どうにもならなければ最後は銀行に泣き落としでもしてみるか。金利のアップや保証人追加で事なきを得ることが出来るのかは、その時の資産価値や当人の属性や返済状況を考慮しての判断となるだろう。
ペアローンを組む際に離婚を想定している夫婦はいない。マイホームを購入し、きっと明るい未来しか見えていないはずだ。一人よりも多くの金額を借入れすることできるペアローンは、身の丈に合っていない物件を購入してしまう傾向にあるという。この物価高騰で墨田区や江東区の中古物件でも一億円近い金額で売られている。背伸びをしなければ購入できないのも事実だし、返済負担率は年収の35%以内という貸し手の指針を大きく上回っているのも現実である。
後々の負担を考えると、頭金0円でローンなど組まない方がいい。ある程度の頭金は準備するべきだし、いざという時に備えて現金も手元に残しておきたい。このご時世、離婚だけではなく、失業や病気のリスクを誰もが抱えている。最悪を想定しておけば、大抵はあたふたせずに済む。慎重過ぎるのも良くないが、一度立ち止まって真剣に考えてみることをお勧めする。その隙に他の誰かが先に買付けを入れてしまうことも最近は多いのだが笑
